経済(第6話):国の財政破綻(第2話)

   国の借金が2015年度末に1167兆円になる見通しであることを財務省が発表した(2月14日、毎日新聞)。  2013年度末が約1025兆円なので2年間で142兆円(1年間に約71兆円)借金は増えることになる。【経済(第2話)】では2012~2013年の1年間では33.4兆円の借金増加だったので財政悪化のスピードは加速しているようである。
   伊藤隆敏著:日本財政「最後の選択」に、財政破綻の可能性はあるのか、あるとすればいつ頃か、避けるためにはどうすればよいか、が記してあるそうだ(毎日新聞書評欄、2月15日)。伊藤氏は世界的な業績のある経済学者でコロンビア大学教授である。ここではその考えを参考に記すことにする。
   伊藤教授は、日本とギリシャとの違いは3つあり、① 日本国債の多くを、豊富な国内貯蓄で国内投資家が購入していること、② 日本の消費税率を欧米諸国のように20~25%にすれば財政再建できること、③ 日本は独立の金融政策と通貨政策を持っていること、としている。財政危機が生じると、急激な財政緊縮、大不況、銀行危機が起こるとも指摘する。
   すると私にはちょっと気になることがある。リーマンショックのとき破綻しかけたいくつかの銀行が国の支援を受けて破綻を免れた。現在、銀行に預けられている預金類は万が一の時には一定の金額までを国家が保証している。その国家が倒産したとき破綻銀行の保証が実行されるのであろうか。ギリシャでは国家が破綻する前にユーロで預けた銀行預金が大量に出金・現金化されているという。
   伊藤教授は財政破綻の定義を「国内の民間貯蓄だけでは国債残高を持ちきれなくなったとき」と定義されている。そうであるなら、素人の私が【経済(第2話):財政破綻】で記したことと同じである。ということは、このままの流れ(毎年70兆円の借金増加)だと、1600兆円(民間貯蓄)-1167兆円(2015年度末借金)=433兆円(2015年度末民間貯蓄残高)なので、およそ2021年度末(2015年+6年)に財政破綻が生じる。【経済(第2話)】で記したように稲盛氏も2025年頃に経済の底がありそうだと感じられているので、よく符合する。というのは、国が今より努力して年間借金増加を50兆円程度にすると2024年度末に財政破綻が生じるからである。
   最後に伊藤教授が示す財政危機の成り行きを記すことにする。第一は、消費税率が10%になっても2020年代前半に財政危機に陥る。第二は、消費税率を2020年までに15%にすると、財政危機に陥るか否かは他の条件に依存する。第三は、消費税率を20%にすると財政危機はほぼ回避できる。
   私の印象では、国民が今の豊かさ(医療費負担、社会保障、年金など)を捨てきれなくてこのまま歩めば消費税率は20%は避けられない気がする。政府は、「あなた方の要求を満たすためには消費税率20%は避けられません、それを避けたいのであればもう少し我慢してください」と言わざるを得ない状況に追い込まれる。すると、ギリシャのように国民は新しい政権を望むに至る。そのような状態になった時には尖閣諸島は危うくなるかも知れない。
   このような事態を避けるためには、日本国民は2015年以後の10年間をいかに生きるべきか。正念場を迎えている。何があっても戦争は回避しなければならない。賢い方法は、ギリシャのような突然の厳しさよりも、その厳しさを10年間に分散させた方がよい、と感じる。ただ、消費税を20%に上げる前に、国会議員などの既得権益を解消することが大切である。メールで済ませられる時代に、いまだに郵便費や電話代などの通信費用を一人当たり年間1000万円(数値は記憶でもう一度確認する必要あり)はどうしてもいただけない。議員数も然り。
   国民の皆が自分の欲望との闘いを強いられる時代に入っているのである。そうしないと、この程度では済まされない厳しい時代となる。いつの時代でも弱者にしわ寄せはいく。その厳しさが弱められる国ほど民主国家の理想に近い国なのだ。
   長文のブログになってしまった!

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