環境(第2話):国有林・はげ山の脅威?!

   私が危惧する結論を最初に記す。国有林を数百ヘクタール規模で皆伐・丸裸にする権利を民間業者に許可する法案(国有林野管理経営法改正案)が国会で現在審議されている(毎日新聞、5月25日)。法改正されると、地球温暖化による異常気象を経験する昨今、大規模な土砂崩れが予想される。国有林なので民家は少ない地域なのであろうが、大規模な土砂崩れが起きた環境は再び元には戻せない。一部の民間業者が金儲けして逃げ得できる法案ではなく、国民のためになる法案が望まれる。
   この改正法案は、安倍政権の規制緩和による経済活性化の思惑がある、と私には感じられる。その結果、一部の関連業者は潤うが、皆伐地域の再造林対策は赤字となり、その赤字部分は税金で賄うことになる。短絡的な表現をすれば、国の借金は増えてゆく施策である。
   現行ルールは次の4つから成る(毎日)。
    ①区域は一か所あたり数ヘクタール。
    ②再造林期間は1~数年。
    ③入札委託。
    ④再造林は、伐採とは別事業として入札・委託。
   このルールによる群馬県沼田市利根町の例を見る。
    ①8.7ヘクタール。③入札額 590万円。②と④国の責任で再造林。苗木を植えた実績は残っているが、再造林は失敗。その原因は、土砂崩れが今も続いていることと、シカによる苗木の食害である。ルールどうりの道筋を付けるには、治山工事など数千万円かかる。
   1998年、このような累積債務3.8兆円のうち2.8兆円を税金で賄い、残る債務1兆円を木材収入でで返済することを図ったが、債務は1.2兆円に拡大した。

   木質バイオマス発電などを当て込む安倍政権は、成長戦略に森林資源を組み込むべく国有林法改正案を目論む。現行ルールに対応した改正案は以下のとうりである(毎日、文章を一部私が短縮)。
    ①区域は一か所あたり数百ヘクタール。当面10か所程度を想定。
    ②再造林期間は50年以内と明記。政府は「10年を基本に運用」と説明。
    ③入札委託。
    ④再造林は政府が伐採業者に申し入れる。しかし、義務規定はない。
   再生エネルギーによる発電よりも原子力発電を重視する安倍政権にあって、法案改正の意図の真意は見極めたいものだ。バイオマス発電を本気で考えているのであれば、改正案にはそれに関連した事柄の検討も必要不可欠である。過去の失敗を反省することなく法案を通すことが目的であれば、結果がどうなるかは明白である。
   
   安倍政権は諸行事を政権浮揚に利用することが目立つ気がする。改元行事。トランプ大統領を国賓として迎えること等。政治に対する国民の深慮が求められている。

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