政治(第26話):安保法案、参考人はみな違憲!

   衆議院憲法審査会で与野党が推薦した憲法学者3人を招いて参考人質疑を行った。自民党・公明党・次世代の党、民主党、維新の党がそれぞれに推薦する3人であったが、その3人全員が「憲法9条違反」と明言した。
   それに対して自民党の佐藤勉国対委員長が「今後は人選やテーマ、スケジュールに配慮するように」と注意したという。つまり、安保法案を支持する人選をするようにと注意をしたのである。
   普通、政権党が選ぶ委員・市民は政策に賛成の意志を示す人が選ばれる。例えば、水俣病の調査の時には、「会社・チッソが排出する水銀が原因であるとは断定できない」と東大教授は言い、原子力発電所に関する市民公聴会では、「電力関係者を公聴会に動員して発言させる」などの工作が行われる。政府は自分たちが作為的に選んだ学識経験者や専門家なる人に報告書などの意見を表明させて、自分たちとは無関係な専門家が評価した案件なのだと装って政策を進めてゆくという常套手段に今回は失敗した。
   それ故、自民党が人選した憲法学者が「違憲である」と表明したことは驚くべきことなのだ。私は、当事者である早稲田大学法学学術院教授・長谷部 恭男氏に敬意を表したい。何故なら、長谷部教授は自民党からこのような場に再び招かれることはないであろうからである。どの党から招かれても一つの仕事に対しては謝金が払われる筈だ。将来招かれなくなるのを承知で長谷部教授は、自分の考えを貫かれた。そのことに私は敬意を表したい。
   このブログの読者は、「そんな程度で感心するな」と思われると推察するが、これは稀有な現象と私は考える。というのは、かって自民党の官房長官をしていた野中 廣務氏の話があるからである。以前にこのブログでも記したが、もう一度書く。
   それによると、内閣官房には報償費や調査費の名目で、使途を機密にできる内閣官房機密費が存在する。年間数億円の金額を領収書なしに使えるお金である。かって自民党が政権を失った時、選挙で負けて民主党に政権を渡す一カ月ほどの間に、2億5千万円程が金庫から引き出されていた。使途を明らかにしなくてよいので、自民党が着服して金庫を空にして民主党に政権を渡したのだ。それ故に、国のお金(税金)の周辺には恩恵を受ける立場にある人が群がるのである。野中氏が「機密費を差し出して断ったのは田原総一朗氏、ただ一人だった」、という公式発言がある。更に、野中氏は、「新築祝いを要求してきた人もいる」とも発言した。このように、税金を食い物にする人達が沢山いることを考えると、長谷部教授の行為が光り輝くのである。皆さんは長谷部教授は尊敬に値すると思いませんか?
   因みに、安保法制が憲法違反だという憲法学者は186名ほどおられる(朝日TV)が、政府は憲法違反ではないとしている。専門家が正しいのか、それとも法律に素人の政府が正しいのか?政府のやり方が正しいのなら、皆が憲法違反をしてもよいことになる。政府だけが憲法を踏みにじってよいなら、それは独裁政治もどきである。「もどき」の意味は、選挙で否定される余地があるという意味である。

この記事へのコメント

通りすがり
2015年06月19日 00:16
>専門家が正しいのか、それとも法律に素人の政府が正しいのか?

 都合のいい時は専門家のいうことを信用するのですか。原発事故の時に多くの原発専門家は原発は安全としてきましたが、そういう専門家は信用するのですか、しないのですか。
 つまり、真実は多数決で決めるのではないということではないですか。
 ダブルスタンダードになっていませんか、ということです。

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