経済(第5話):気になるアベノミクス

   日本経済の行く末はすべてアベノミクスの成否にかかっている。法人実効税率の引き下げなどに必要な財源は、先送りされているからだ。つまり、国の借金を増やして大企業の応援などをしているので、それに見合う税収がなければ国の借金はますます増えることになる。経済が成功しようが失敗しようが10%への増税は避けられない。そうしないと、国の借金はますます増えるので、国債の国際的信用が落ちて、日本国債は少しずつ投機的水準に近づく。つまり、ギリシャやロシアが置かれている状態になる。
   日本経済が国際的信用を保つには、消費税を大幅に上げざるを得ない。さもなければ、手持ちの国債の何割かは放棄することになるであろう。ギリシャに限らず日本でもそのような前例はあるのだ。太平洋戦争のころ、国は戦争に必要なお金を調達するのに戦時国債を発行した。国民は、戦争が終わったら国債が償還されお金は手元に戻る、と国を信じ国に協力したのであるが、戦後ただの紙切れとなり確か一銭たりとも戻ってこなかった。
   国の経済が国際的信用を無くしたときには、貧しい人がいてもその人たちを国が援助することはできない。援助すれば国の借金がますます増え海外からの協力が得られないからである。今評判の『トマ・ピケティ著:21世紀の資本』によると、「資本主義の下では、資産を持つ人がますます富み、持たない人々との格差が広がり続ける。富も貧困も世襲されていく」。
   そのようにならないためには我々は何を考え、どう行動したらよいであろうか。自分が貧困層の一員とならないために、個人でできる努力があるなら、少しずつ備えておこうと私は思っている。
   日本の国レベルで一番の問題は、非正規雇用の若者が多すぎることと、シングルマザーが生活し難く貧困になりがちであることである。若者が夢を描けない国、幸せな家庭を持ちづらい国は衰退していくに違いない。豊かな人がますます豊かになれば、そのおこぼれが貧しい人にもそのうちまわっていくという経済政策は、本当に正しいのであろうか?
   新年早々明るくない話で恐縮である。上記のような日が来ないことを祈るだけである。

この記事へのコメント

ネコ虎
2015年02月21日 21:55
「国の借金はますます増えるので、国債の国際的信用が落ちて、日本国債は少しずつ投機的水準に近づく。つまり、ギリシャやロシアが置かれている状態になる。」と大変日本の財政状況を憂えているようですが、日本国債についての全くの誤認、理解不足と考えます。
経済評論家三橋貴明氏の日本国債の解説をぜひお読み下さい。「新世紀のビッグブラザーへ」というサイトの「言葉の間違いが国を亡ぼす2.14」からの引用です。
(コメントの長さに制限があるので分割して載せます)
「…「国の借金」という言葉は間違っています。何しろ、我が国の「国の借金」すなわち対外負債は、500兆円に過ぎません。逆に、我が国は外国に820兆円のお金を貸し付けています。すなわち、対外資産が320兆円です。対外資産が820兆円、対外負債が500兆円であるため、日本国は実は320兆円の純資産状態にあるわけです。純資産が多い人のことを「お金持ち」と呼びます。日本国の対外純資産320兆円は世界最大でございます。日本国は「国家」として見た場合、世界一のお金持ち国家なのです。これは、統計が示す「覆しようがない真実」です。
 世界一のお金持ち国家の中で、政府が借りているのが「国の借金」の正体でございます。正式にはGovernment Debtと呼びます。翻訳すると「政府の負債」。マスコミに氾濫する「国の借金」は、正しくは「政府の負債」と呼ばなければならないのです。
 常日頃、「グローバル! グローバル!」と言っているマスコミの皆さん、是非ともグローバルに倣って「政府の負債」と呼んでください。国民が財政や政府の負債について正しく知る、第一歩になります。政府の負債である以上、借りているのは「政府」です。それでは、貸しているのは誰でしょうか。(続く)
ネコ虎
2015年02月21日 21:58
(三橋貴明氏の日本国債解説の続きです)
 日本国債の所有者の多くは、国内の銀行、生命保険・損害保険会社、年金、そして日本銀行になります。日本国債のほとんどは、国内の金融機関により保有されています。我が国の「政府の負債」の債権者のほとんどは、国内金融機関なのです。
 とはいえ、例えば国内の銀行にしても、別に自前のお金を政府に貸し付けているわけではありません。国民から「預金」という形で借りたお金を、政府に貸し付けている(=国債を購入している)に過ぎないのです。すなわち、我々に預金や保険料などが、日本国債で運用されているだけなのです。政府の負債の「債権者」が日本国民なのです。債務者ではありません。
 それにも関わらず、国内の新聞は日経記事のような虚偽情報を平気で報じます。結果、我が国の国民に「財政破綻症候群」が蔓延し、正しいデフレ対策(財政出動)が打てないわけです。先のレトリックでいえば、国民1人当たり811万円の「債権」です(事実としてそうです)。さらに、100%自国通貨建てで、日本銀行が国債を買い取ることで実質的な政府の負債が消滅する我が国が「財政破綻」する可能性は「ゼロ」。この手の真実が国民に広まらない限り、我が国がデフレから脱却する日は訪れないでしょう。」
(続く)
ネコ虎
2015年02月21日 22:08
(続きです)
「…日本の場合、国債は100%日本円建てです。現在日本の長期金利が低迷しているのは、デフレで民間の資金需要が不足し、皆さんの預金(銀行への貸付金)の運用先が少なくなっているためです。民間企業がお金をあまり借りない反対側で、国民(及び企業)はじゃんじゃかと預金をしてくる。運用先が見当たらないお金が国債に回り、国債金利が下がっているわけです。
 注意しなければならないのは、上記の環境下において「銀行」(又は生損保等)からお金を借りる場合、日本政府には「競争相手がいない」という話です。日本円の貸出先が国内になければ、銀行は政府にお金を貸し出すしかありません。国債を発行し日本円を借りる際に、日本政府は他国政府と競争することはない。日本円の「最後の借り手」は、日本政府だけです。
 それに対し、ユーロ圏は違います。何しろ「共通通貨」ですので、ユーロ圏の銀行は、預金者から借りた預金で、自国政府の国債を買う義務はありません。例えば、ギリシャ国内の銀行にギリシャ国民が預金をしたとして、それを「ドイツ政府」に貸し付けても構わないのです。すなわち、ユーロ圏の政府はお金(ユーロ)を借りる際に「競争」があります。ギリシャ政府はドイツ政府やフランス政府と、国債発行時に「競争」をしなければならないのです。というわけで、銀行がリスクを取りたくない場合「その国が経常収支黒字か?財政赤字が拡大していないか?」といった意味における「国の信認」が影響してくるわけです。
…「国債の信認」やら「国家の信用」やらで国債金利が変動するのは、外貨建て又は共通通貨建てで政府が国債を発行している国の話であり、日本は関係ありません。」
(終り)

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